いよいよ夏休みですね!
長い休みの間、子供と一緒に何か普段できない体験をしたいな、という方にもおすすめしたいのが、【裁判の傍聴体験】です。
なかなか普段身近ではない裁判ですが、実は実際の裁判法廷が無料で傍聴できます。短時間ですがものすごく濃い体験ができるんです。
今回は、実際に私が体験したことをもとに、基本的な裁判傍聴の方法とその感想などをご紹介しますので、参考にしてみてください。
裁判の傍聴って、具体的にどんなもの?
いろいろな事件について、ことのあらましや証拠、なぜ起こったのかなどを明らかにし、罪を犯したとして訴えられている人に対して有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑罰を科すべきかを決定する…ということが行われるのが裁判です。
当事者(原告・被告)や弁護人、裁判官、刑事事件であれば検察官などで裁判を行っていきますが、
その一部始終を見ることができます。
法廷には傍聴席が設けられていて、一般人でも自由に入室することができます。
無料です。
・裁判の傍聴に来ているのはどんな人?
基本的に誰でも傍聴できることになっています。
私が傍聴したときは、我々親子のほか、事件関係者らしき人、シャツを着たサラリーマン風の人、リタイアしたおじいさんぽい人(常連ぽくスケッチメモを取っていた)
などでした。
・どんなことが見れるのか?
裁判の一部始終が見れます。
ただし、長い裁判であれば複数回にわたって開廷されるため、前回法廷などを前提に話が進むため、途中からついていけない場合もあります。
・裁判の傍聴は、何歳からできるの?
原則誰でも傍聴することができるため、年齢制限はないようです。
ただし、裁判の妨げをしないこと前提のため、裁判中静かにしていることが難しい小さい年齢のお子さんは、やめておいたほうが良いと思います。
また、個人差があると思いますが、ある程度、話を聞いて理解のできる年齢がよいでしょう。
うちの子供は、小学校高学年で傍聴しました。もともと関心があったためか、内容もすんなり理解はできたようです。
ちなみに傍聴席は途中入出・途中退出は可能でしたので、お子さんの様子次第で途中で退出もできそうです。
裁判を傍聴する方法
・どこで傍聴できるのか?
最寄りの裁判所を探しましょう。
裁判所には、5つの種類があり、それぞれ最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所です。
地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所の裁判で納得できない場合に、不服を申し立てたものが高等裁判所で裁判されるようです。
初めてならまずはいろいろな事件を扱っている地方裁判所での傍聴がおすすめかなと思います。
*最寄りの裁判所を知りたい方は裁判所のホームページから検索ができます
・いつ行けばいいのか?
基本的には平日開廷のようです。
・裁判の傍聴には予約が必要?
予約はできません。また、どの裁判がいつ行われているかについては、通常公開されていないため、当日行ってみて、受付で傍聴したいものを選んで該当の法廷へ行く流れになります。
地方裁判所であれば、いつ行っても大体何かしらの裁判はやっているようです。
・どんな裁判を選べばいいの?傍聴する裁判の選び方
裁判には民事裁判・刑事裁判、刑事裁判の中にさらに裁判員裁判がある!
民事裁判、刑事裁判の2種類があります。
また、刑事事件の中に、判決を出す出し方によって、裁判員裁判があります。
民事は、日常生活で起こる法律上の争いを判断し解決するもので、訴えたほうを原告、訴えられたほうを被告といいます。代理人を選任することができます。
代理人のみで行われる裁判や、書類提出のみなど短期間で終わる場合など、民事裁判は傍聴しても内容がわかりにくいものもあるようです。
(ちなみに、私は民事裁判を傍聴しませんでしたが、スケジュール表を見る限り時間としては10分で終わる、のようなものも多かったです。)
刑事裁判は、いわゆる警察が捜査するような事件についての裁判です。
警察が捜査をした後検察官へ報告、検察官が起訴します。検察官と起訴された人(被告人)と、これを弁護する弁護人などが登場します。
「初」と記載がついているものであれば、初回の裁判なので、事件のあらましや経緯などが検察官に読み上げられ、何も情報なく傍聴してもある程度どんな事件かがわかりやすいです。
事件名は、具体的には記載がありませんが、以下のような記載があるのである程度内容がわかります。
- 殺人
- 強盗致傷
- 窃盗
- 傷害
…等
裁判の傍聴は、どんな服装で行けばいいのか
あまり華美で目立つ服装でなければ大丈夫かと思います。あくまで傍聴なのと、かなり詳細な事情なども話される場なので、あまりにおしゃれなお出かけスタイルような格好でその場にいるのは忍びなくなりそうです。白、黒、紺など地味目な色合いで、参加したほうが浮かずに済むかと思いました。
手荷物検査があります
入口で、危険物など防止のための手荷物検査があります。バッグやポケットの中のものなどはX線検査がありますので、見られて恥ずかしいようなものはもっていかないほうがよいです。
録音撮影不可!メモ帳と筆記用具が必須アイテム
当たり前ですが、個人情報のため、録音や撮影はできません。
筆記用具は持ち込んでスケッチしているおじさまがいらっしゃいました。
記録を取るのであれば、メモなどを持参が必要です。
また受付にあるスケジュールも、被告人名などが載っていて撮影不可のため、法廷番号・開廷時間など複数傍聴の際は忘れぬようにメモが必須です。
実際に体験してみて感じたこと
私は娘とともに3つ刑事裁判を傍聴しました。
強盗、窃盗、窃盗 です。
いろいろなリアル
- 被告人はどこにでもいそうな人
- 犯行にいたった様々な理由がある(当たり前だけど)
- すごく身近に起こりそうな事件
- 原因が教育や環境だった場合に、再犯の可能性があるけれど根本的解決策を出せないもどかしさ
「判決は次回言い渡し」ということで、傍聴時には判決が出ないままだったのですが、
子供と、自分が裁判官だったらどういう判決を出すか?その理由は? と話をしてみました。
窃盗 はとてもわかりやすいのですが
「やってはいけないことをやってしまった」
ということがわかっているのですが、
それに至るまでの、家庭環境(頼る人がいない)、経済状況(生活が困窮している)、教育環境(理解ができない、仕事が見つからない)など、さまざまの要因が明らかにされ
”やってはいけないことがわかっていてもやってしまうに至る状況”
それを改善し再犯を防ぐためには環境ごと変える必要があるが
変えられるのか?
変えられなかった場合に刑罰を科すことで解決はするのか?
など、正解のない問題に大人も子供も考えさせられました。
ひとつひとつの事件への判決はされますが、それとは別に、社会を住みよく変えていくことの必要性をかなりリアルに感じられるかと思います。
そのほか、子供にとっても
・わるいことをして捕まる というのはこういうこと
(手錠にお縄状態で登場される被告人を目の当たりにします)
・身なりや姿勢の与える印象の大切さ
・言葉づかいや、自分の言葉でしっかりと明確に説明・表現できるということの大切さ
なども、感覚的に伝わったのではと思います。
夏休み、平日にお時間がある方はぜひ一度裁判傍聴をおすすめします。